第一話
「松嶋さん、ちょっといい?」
オーナーの沢野順子は、完璧なメイクとドレスに身を包み、忙しそうに店内をチェックしてまわっている。
「何か?」
「こっちのディスプレイ、もう片付けて新作並べておいて」
「わかりました」
並んでいるのは、私の作ったジュエリー。
連日徹夜でやっと仕上げた。
お店に並べたのはつい3日前……
片付けるには早すぎる。
「いい作品だとは思うけど、なんか寂しい感じがするのよねぇ。セールの時にでも出しましょう」
「わかりました」
ここは、沢野さんのお店。
従業員の私にNOの選択肢はない。
「じゃあ、出かけるから戸締りお願いね」
「お疲れ様でした」
お店のスタッフは、私だけ。
ジュエリー制作・販売スタッフ募集という求人を見つけて応募したのが6年前。
美術短大を卒業した私は、今年で26歳。
独立するにはまだまだ若すぎることはわかっているが、このままここに居ていいのだろうか。
ショーケースからジュエリーを取り出すと、ゴールドネックレスのペンダントヘッドが揺れた。
葉の滴を宝石で見立てた作品で、「滴」と名付けた。
照明に反射する宝石は、幾重にも光りを放ち今にも零れそう。
見惚れる私の耳に来客を告げるドアベルが鳴り響く。
「いらっしゃいませ」
「……」
長身の男性は、店内を見回すと私を指差した。
「それにする」
「え?」
「贈り物にして」
「かしこまりました」
私は、カウンターへ戻り、商品を並べた。
「こちらはルビーのネックレスですが、サファイヤやダイヤモンドもありますよ」
「あ?」
男性は、不機嫌そうに私を見つめた。
細身でスーツ姿。
手には黒いサングラスと同じく黒の携帯電話を持っている。
髪は、グレイがかったアッシュ色だ。
「じゃ、全部」
「え?」
「何?全部買っちゃ駄目なの?」
「いえ、ありがとうございます」
男性は、私がラッピングしている間ずっと携帯電話を弄っていた。
「お待たせしました。リボンと宝石の色を同じにしました。ダイヤが白で、」
「いい。わかる」
男性は、私の手から商品を奪うように引き取ると、そのまま店から出て行った。
(なにあれ……かっこいいのに感じ悪い)
これが、彼との出会いだった。
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NAME:高見怜奈(タカミレイナ)
GENDAR:女
BIRTHDAY:1988/8/12
BLOODTYPE:B
THANK YOU FOR YOUR COMING!!
I WISH THAT YOU ENJOY MY STORY.